東京大学医科学研究所附属病院臨床研修の案内

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2023/7/3 更新

医科研病院の特色 ・ 最先端研究による社会貢献



新専門医制度情報

東京大学医科学研究所附属病院外科での研修について(NEW)

5年目までは東京大学外科研修プログラムの連携施設としての修練が可能です。
6年目以降は、外科の助教として採用され、大腸癌、胃癌の腹腔鏡手術を中心とした専門手術の修練が可能です。

外科研修の特色

募集案内

外科

募集診療科外科
応募資格2年間の初期臨床研修を終了した方・修了予定者
募集人数若干名(卒年に応じて、専攻研修医もしくは助教での採用となります。)
研修期間新専門医については基幹病院のプログラムで決定
それ以外の方は1年以上(相談に応じます)
申込締切特になし
選考日個別に相談の上決定します。
選考方法面接
必要書類
  • 医師免許証(写)
  • 履歴書(写真添付)[ ダウンロード:履歴書(様式) / 記入例
  • 保険医登録票(写)
  • 所属長(またはそれに準ずる医師)の推薦状
  • 医師臨床研修修了登録証(写)手元にない場合は、後日提出でも可
申込連絡先〒108-8639 東京都港区白金台4-6-1 東京大学医科学研究所附属病院
病院課 病院経営チーム (メールでのお問い合わせ

東京大学医科学研究所附属病院内科での研修について

東京大学医科学研究所附属病院での内科専門医研修は血液腫瘍コースと免疫・感染症コースの2コースで行われます。内科にはアレルギー免疫科、血液腫瘍内科、感染免疫内科、腫瘍・総合内科の4科があり、それぞれ特色のある診療を行っています。

内科研修の特色

募集案内

内科

募集診療科内科
応募資格2年間の初期臨床研修を終了した方・修了予定者
募集人数若干名
研修期間新専門医については基幹病院のプログラムで決定・それ以外の方は半年以上(相談に応じます)
申込締切特になし
選考日各科ごとに個別に相談の上、決定いたします。
※申込連絡先までご連絡ください。
選考方法面接
必要書類
  • 医師免許証(写)
  • 履歴書(写真添付)[ ダウンロード:履歴書(様式) / 記入例
  • 保険医登録票(写)
  • 所属長(またはそれに準ずる医師)の推薦状
  • 医師臨床研修修了登録証(写)手元にない場合は、後日提出でも可
申込連絡先〒108-8639 東京都港区白金台4-6-1 東京大学医科学研究所附属病院
病院課 病院経営チーム (メールでのお問い合わせ

感染免疫内科

募集診療科感染免疫内科
応募資格2年間の初期臨床研修を終了した方・終了予定者
募集人数1名
研修期間半年―1年(相談に応じます)
申込締切適宜決定
選考日相談の上決定します。感染免疫内科までご連絡ください。
選考方法面接
必要書類
  • 医師免許証(写)
  • 履歴書(写真添付)[ ダウンロード:履歴書(様式) / 記入例
  • 保険医登録票(写)
  • 所属長(またはそれに準ずる医師)の推薦状
  • 医師臨床研修修了登録証(写)手元にない場合は、後日提出でも可
申込連絡先〒108-8639 東京都港区白金台4-6-1 東京大学医科学研究所附属病院
病院課 病院経営チーム (メールでのお問い合わせ

アレルギー免疫科

募集診療科アレルギー免疫科
応募資格2年間の初期臨床研修を終了した方・終了予定者 (膠原病・リウマチ性疾患に興味のある者)
募集人数若干名
研修期間半年―1年(相談に応じます)
申込締切適宜決定
選考日相談の上決定します。アレルギー免疫科までご連絡ください。
選考方法面接
必要書類
  • 医師免許証(写)
  • 履歴書(写真添付)[ ダウンロード:履歴書(様式) / 記入例
  • 保険医登録票(写)
  • 所属長(またはそれに準ずる医師)の推薦状
  • 医師臨床研修修了登録証(写)手元にない場合は、後日提出でも可
申込連絡先〒108-8639 東京都港区白金台4-6-1 東京大学医科学研究所附属病院
病院課 病院経営チーム (メールでのお問い合わせ

専攻医の待遇

身分短時間勤務有期雇用教職員(専攻研修医)
給与月額約40万円、通勤手当別途支給 (当直手当・超過勤務手当を含む)
当直月平均4回
保険健康保険、厚生年金保険、雇用保険及び労災保険
休暇試用期間(採用日から14日間)満了日の翌日から付与 1年目10日間、2年目11日間、3年目12日間(4~9月採用の場合)
医師賠償責任保険任意加入であるが加入が望ましい
宿舎なし
健康管理健康診断(年1回)
外部の研修学会、研修会への公的参加は参加旅費を支給

補足)連携先での待遇は、各施設での待遇基準に従います。ただし、給与などに関しては、施設間の協議の結果が反映されます。

病院見学・お問い合わせ

病院見学

病院見学については、下記項目を記入した上で、見学希望日の3週間前までご連絡ください。

  1. 氏名
  2. 所属病院・診療科名
  3. 見学希望日(第3希望までご記入ください)
  4. 見学希望診療科
  5. メールアドレス
  6. 連絡先電話番号

見学希望日2週間前までにご連絡差し上げます。

病院見学申し込み・問い合わせ先

事務担当: 病院課 病院経営チーム
TEL/FAX: TEL 03(5449)5209 / FAX 03(5449)5604
メールでのお問い合わせ

東京大学医科学研究所附属病院 内科専門研修プログラム

統括責任者感染免疫科 教授 四柳 宏
募集専攻医数数名
連携基幹施設東京大学医学部附属病院・都立駒込病院・都立墨東病院・都立多摩総合医療センター・日本赤十字社医療センター・NTT東日本関東病院・東京都済生会中央病院・地域医療機能推進機構東京山手メディカルセンター・地域医療機能推進機構東京高輪病院・公立学校共済組合関東中央病院・公立昭和病院・東京逓信病院・東京警察病院・関東労災病院・済生会横浜市東部病院・けいゆう病院・諏訪赤十字病院
研修期間新内科専門医はそれぞれの基幹施設のプログラムに従う。それ以外の場合は半年以上
お問い合わせ〒108-8639 東京都港区白金台4-6-1 東京大学医科学研究所附属病院
病院課 病院経営チーム (メールでのお問い合わせ
研修コース
プログラム詳細各診療科のホームページをごらん下さい。

プログラムの特徴

血液腫瘍コース

血液腫瘍コースでは白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫など主要疾患に対する標準治療を実践するだけでなく、医師主導治験や企業治験を含む先端医療の開発にも従事します。当院は造血幹細胞移植に関する長い歴史と豊富な経験を有しており、特に臍帯血を用いた同種移植に力を入れているため、チームの一員として移植医療の研鑽を積むことができます。また、当院は成人T細胞性白血病やランゲルハンス細胞組織球症など稀少血液疾患の診療拠点であり、他機関では経験できない稀少疾患の診療も経験できます。さらに、最近ではヒトゲノム解析センターとの所内連携によって症例のゲノム解析を系統的に行い、その結果を臨床現場へ報告する作業過程に人工知能(AI)を導入した先進的ゲノム医療に取り組んでおり、研修医教育に利用しています。

免疫・感染症コース

免疫・感染症コースはアレルギー免疫科、感染免疫内科、腫瘍・総合内科から構成されています。

アレルギー免疫科ではさまざまな自己免疫性疾患の診療が行われており、関連する診療科、関連施設と連携したきめ細やかな医療が展開されています。先進的な臨床研究も行われています。

感染免疫内科はHIV感染症、輸入感染症診療の長い歴史を有しています。他の医療機関からの紹介も多く、感染症全般にわたって広い経験を積むことができます。

腫瘍・総合内科では固形悪性腫瘍に対する化学療法・免疫療法が行われています。当施設の外科が消化管に力点を置いていることもあり、消化器悪性腫瘍の症例が特に多く見られます。

フィジシャン・サイエンティストを目指される方に

(新・内科専門医のコースとは別になります。新・内科専門医の研修を終えた方・対象ではない方などのためのコースです)

東京大学医科学附属病院は研究所に附属した病院です。各内科は研究所との緊密な連携のもと様々な研究を行っています。
研究所で行われる研究を実際の臨床の場に生かすTranslational Researchを行う部門があり、医師主導試験を行う体制が整っています。 内科研修を行う中でこうした研究所の雰囲気に触れ、当院で研究を続けている先生が何人もおられます。東京大学医科学研究所附属病院は、基礎研究・臨床研究に関心のある方が経験を積むには最適な施設の一つです。

医科学研究所で研修され、フィジシャン・サイエンティストの道を歩まれている先生の声
谷 憲三朗 先生(腫瘍・総合内科)
「フィジシャンサイティスト」と医科研病院

谷憲三朗先生

 「フィジシャンサイティスト」としての道を示していただいたのは、私が大学院生として東京大学医科学研究所病態薬理学研究部(現分子療法分野)・同附属病院血液内科、に所属し血液・腫瘍内科の基礎および臨床に携わらせて頂いた時からです。先ず三輪史朗先生、高久史麿先生に血液内科医としてのご薫陶を受け、その間および後も長く浅野茂隆先生に直接的なご指導をいただきました。当時の血液内科では骨髄移植(現在の造血幹細胞移植)医療の導入時期でしたし、研究としてはサイトカイン研究が華やかなりし時期でした。浅野茂隆先生、長田重一先生の寝食を忘れてのご努力により、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の発見、同定、遺伝子クローニング、製剤化、臨床試験の一連のトラスレーショナルリサーチ(TR)が医科研で見事に花開きました。この過程は自身の脳裏に強く焼き付いており、その後「フィジシャンサイティスト」として私が生きる上での目標となり続けています。医科研病院では1998年から2002年にかけて「顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)遺伝子導入自己腎癌細胞ワクチンを用いた進行性腎癌に対する遺伝子治療臨床研究」を病院及び研究所の皆様のご協力のもと担当させていただき、GMP(Good Manufacturing Practice)レベルでの遺伝子導入細胞作製とそれを用いた臨床研究を経験することができました。この経験をもとに九州大学病院での免疫療法のTRを展開していくことができました。「フィジシャンサイエンティスト」として研究及び臨床の2足のわらじをはいて生きていくことは決して楽ではありませんが、日進月歩の医学をフルに活用し、がんを含む難病に苦しんでおられる患者さんへの早期の医療的貢献が円滑にできることを願いながら、教室の皆さんと日々頑張っています。若い医師の方にも是非ともTRの重要性をご理解いただき、「フィジシャンサイエンティスト」としての道を選んでいただきたいと願っています。そして医科研病院はその場所としてはベストの病院であると信じています。

長村 登紀子 先生(セルプロセッシング・輸血部/検査部/臍帯血・臍帯バンク/血液腫瘍内科)
さあ、一緒にフィジシャン・サイエンティストを目指しましょう

長村登紀子先生

 1990年医科研病院に入所後、血液腫瘍内科で造血幹細胞移植を学び、米国NIHに留学後、医科研に戻って臨床と研究を続けています。かれこれ30年になります。2000年帰国後、医科研内にありました臍帯血バンクで培った基盤をもとに、さらに臍帯血・臍帯バンクを立上げ、臍帯由来間葉系細胞(MSC)を用いた造血幹細胞移植後の治療抵抗性移植片対宿主病に対する医師主導治験代表を務めています。自分たちが製造した細胞を、実際に患者さんに投与する現場に立ち会えるところまで達成できたことは、ひとえに医科研の先生方や看護師、臨床検査技師、研究員、学術専門職員、臨床研究コーディネーターや事務の方々など、本当に多くの人々の支援とそれを支える研究環境の賜物です。そして、他の病院とも気軽に提携できる立地条件と環境がそろっています。現在、このMSCを用いてCOIVD-19関連ARDSへの治験や脳性麻痺患者さんへの治験も他の病院の先生方や企業とともに進めています。大都心の中の緑豊かな環境に恵まれた医科研で、基礎から臨床、製造から提供までチャレンジし、子育てしながら、自分も成長する。さあ、一緒にPhysician-Scientistへの道に踏み出しましょう!

川俣 豊隆 先生(血液腫瘍内科)
フィジシャン・サイエンティストを目指される方に

川俣豊隆先生

 私は2003年に大学を卒業したのち、大学病院で1年間の内科初期研修を行ない、その後、市中病院で4年間血液内科を主とした内科研修を行ないました。私の学年はスーパーローテート制度になる前の最後の学年であり、大学の医局に入局し、市中病院で数年研鑽を積んだのちは再度大学病院へと戻り、大学院へ進学して学位をとるというのが主流でした。私も所属医局の大学へ戻ることを考えていましたが、いわゆるナンバー内科で消化器内科(肝臓)が主体の医局でしたので、残念ながら医局内部では血液領域の研究は行なっていませんでした。代々の医局の血液内科の先輩医師は、学位をとるために、基礎の研究室へと出向するか、医科研へと国内留学をするのが通例となっていました。
 基礎研究が臨床に比較的近いと言われる血液内科領域ですが、私は完全に臨床とは関係のない基礎研究室へ出向して研究生活を送ることに若干の抵抗感がありました。市中病院での研修を終えて、大学病院へ戻るかどうかという選択を迫られた際に、東條教授に相談をし、所属医局の大学病院へは戻らずに、そのまま直接医科研へと移動させてもらいました。1年間医科研病院で臨床経験を積んだのち、東京大学の大学院へと進学し、東條教授の研究室(分子療法分野)で4年間研究生活を送りました。
 この4年間に学んだ研究手法に関する知識は、現在文献を読む際にも役立っているとともに、日常臨床での検査結果の解釈をする際にも以前より1つの検査結果からより多くのことが読み取れるようになり、臨床能力の向上にも非常に役立っています。
 大学院を卒業したのちは再び医科研病院の臨床へと戻り、現在は上級医として後期研修医の先生方と患者さんの診療を担当しています。現在、当科が力を入れている造血器疾患に対するゲノム解析研究の結果を臨床に還元すべく、基礎研究部門の方々に解析して頂いた結果を元に、(人工知能ワトソンの意見も参考にしながら)臨床部門の医師で治療方針を決定し、診療へと役立てています。
 また基礎部門での成果を臨床に応用すべく、トランスレーショナルリサーチの臨床部隊として医科研病院で医師主導型治験も行なっています。
 医師のキャリアとしては、基礎研究者として生きる道、一般病院で標準治療を行ない多くの患者さんを救う臨床医として生きる道、大学病院やがん専門病院などで臨床研究を行ない新規標準治療の開発を行なう臨床研究者をして生きる道など様々あります。医科研病院は国内唯一の大学附属の研究所病院として、基礎研究成果を臨床へと応用するトランスレーショナルリサーチに力を入れて展開しています。また基礎研究室と隣接しているため、通常診療では行なえないような細かな病態解析ができます。このような環境が整っており、研究志向を持った臨床医/フィジシャン・サイエンティストが活躍できる病院です。本人の希望と能力によっては、基礎研究者への道も開かれています。
 我々と一緒に働いて頂けるリサーチマインドを持った臨床医の先生方をお待ちしています。

古賀 道子 先生(感染免疫内科)
学ぶのにも働くのにもよい環境

古賀道子先生

 『臨床の疑問点を基礎研究に、基礎研究の結果を臨床につなげるような働きをしたいと思います。』と 新人挨拶時に、病院スタッフの前で申し上げました。
 私は、臨床研修は他病院で行い、免疫の勉強をしたいと考え、医科研の大学院に入れて頂き、その後、医科研附属病院にて臨床を学ばせて頂きました。当院の良い所は、まずは、一流の研究が身近で行われている為、簡単に著名な先生方の講演を拝聴することができる事です。 忙しい臨床現場に終わりはなく、忘れかけていた『臨床の疑問』という宿題を思い出す時間が取れる事は大変魅力的です。講演会の最中にPHSが鳴っても、すぐに対応できますし、それにより最先端の研究結果を患者様に話題提供できる機会も多いと感じております。
 また、もう1つ、医科研内には『保育園』も併設されておりまして、多くの先生(女性だけでなく男性の医師も)、その他の医療職、研究者の先生方が利用されております。この保育園を通じてコミュニティーが形成され、臨床や研究に更にプラスに働くように感じております。
 当院は、臨床も研究も興味がある方に、お薦めしたい病院です。

当院で研修した医師からのメッセージ
安藤 匠平 先生(血液腫瘍内科 内科専攻医)
血液腫瘍内科での研修

安藤匠平先生

 血液腫瘍内科OBの安藤です。私は都内の臨床研修病院で2年間の臨床研修を終えたのち、当院血液腫瘍内科で3年間、専攻研修医として血液内科の臨床に従事しました。現在は大学院生として医科学研究所内で研究に携わっています。ご存知のように専門医制度は過渡期にあり、私はいわゆる旧制度下の研修であったことをおことわり申し上げます。
 当院血液腫瘍内科での研修ですが、病歴要約に基づくと私は3年間で延べ250例超の診療に携わりました。疾患は多岐に及んでおり、白血病やリンパ腫、骨髄腫はもちろんのこと、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)やランゲルハンス細胞組織球症(LCH)、当院感染免疫内科と連携によるHIV感染症に関連した悪性リンパ腫など、特色ある症例を経験できました。院内や近隣の医療機関から赤血球系疾患や血栓止血系疾患をご紹介頂く場合もあるため、当院のみで血液専門医認定試験に必要な症例を経験できています。また、当院での研修の特徴として、NGSチームによる変異解析を参考にした診断や治療方針の検討など、一般診療にはまだ取り入れられていない最新の知見を実臨床に反映させることができたり、医科学研究所内や他の研究機関との連携による臨床試験も実施されていたりと、トランスレーショナルリサーチの実際に接することができました。当院は骨髄破壊的前処置による臍帯血移植でも世界的に知られており、専従グループによる診療が行われています。
 当院での研修は臨床と研究が両立された環境に身を置くことができるため、上記のような特色ある診療経験を積みたい方、将来的に大学院への進学を検討している方などには特にお勧めしたいと思います。また、在籍中には妻の妊娠や出産といったライフイベントを迎えましたが、理解ある同僚や上司に恵まれ、多忙といわれる血液内科の臨床においても仕事と家庭の両立を叶えることができました。

永井 博之 先生(感染免疫内科 内科専攻医)
医科研病院での研修

永井博之先生

 卒後五年目、後期研修三年目(内科専攻医)より、当院感染免疫内科に所属させていただいております永井博之と申します。
 私は初期研修から四年間、市中病院で研修していました。当院では、HIV感染症や抗酸菌症、寄生虫感染症等を経験でき、市中病院ではなかなか経験できない、臨床研究や治験の実際の現場に触れ合うこともできます。論文の投稿機会もあり、さまざまな指導を受けることができます。また、大学の関連病院でありながら、規模が大きくないこともあり、他科との垣根が低く、相談しやすい環境も魅力です。
 大学院に進学するか悩まれている方も多くいると思いますが、当院では臨床を行いながらその一端を垣間見ることができると思います。新専門医制度が未完成で不安も大きいと思いますが、当院は日本感染症学会研修施設であり、感染症指導医も多く所属しています。

吉田 龍太郎 先生(アレルギー免疫科 内科専攻医)
医科研病院での研修

吉田龍太郎先生

 当院アレルギー免疫科を研修させて頂いております、卒後3年目、後期研修1年目の吉田 龍太朗と申します。初期研修中に総合内科医に出会い、出身地である東北では医師が少なく総合内科医の能力が求められると考え、後期研修では内科知識をさらに深く身に付けたいと思いました。医科研病院では、リウマチ・膠原病領域の専門性の高い疾患に対する最新治療を実臨床で経験することが出来ます。一般的な市中病院ではこの分野の症例はあまり多くはなく、なかには専門診療科がないため最後まで自分で診療することが出来ないこともあるかと思います。当院では、他院からの紹介など多様な症例が集まり、初期診療から専門性の高い治療までを学ぶことが出来ます。また指導医の先生方は各領域の研究をされており、第一線で活躍されている先生方から直接、最新の知見や情報を学ぶことが出来るのも魅力のひとつです。私のような幅広く内科を学びたいと考えている者にとっては、リウマチ・膠原病を疑った際にどのような鑑別を挙げ、どのような検査が必要かなどを学ぶことが出来る良い環境ですし、また、この分野に進みたいと考えている方にとっても、難治症例の治療などを深く学ぶことが出来る充実した環境だと思います。

梨本 淳一郎 先生(血液腫瘍内科 内科専攻医)
医科研病院での研修

梨本淳一郎先生

 私は卒後5年目に2018年度から開始された新専門医制度内科領域プログラムの中で、連携施設として医科研病院の血液腫瘍内科で研修を行いました。
 診療する疾患は幅広く、3か月という短い研修期間でしたが、比較的頻度の高い急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫以外にも、全国からご紹介いただく機会の多いランゲルハンス細胞組織球症、ランゲルハンス細胞肉腫、エルドハイム・チェスター病、肥満細胞症などの希少疾患についても学ぶ機会を頂きました。また、自家末梢血幹細胞移植、臍帯血移植も経験させていただきました。
 さらに、患者さんへの直接的な診療以外にも、下記のように血液内科医として必要な知識・技術も学ぶことができました。具体的に、末梢血幹細胞採取の際は、幹細胞採取からDMSOを加え凍結保存するまでの方法について、フローサイトメトリー解析を行う際は、検体の処理方法、gatingのコツなどを、化学療法を行う際は、その調剤・管理方法などについてです。
 病院全体の雰囲気は良好で、診療に困った場合でも上級医、他科専門医へ相談しやすい点も魅力の一つであると感じました。また、研究施設が隣接しており、市中病院ではすぐに解析することが難しい遺伝子検査などを行うことができ、それを治療方針の決定に活かすこともできました。
 以上のように、当院での研修は、将来血液内科医を志望される方にとって必要な経験や知識を学ぶことができるので、是非研修病院の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

松下 真也 先生(アレルギー免疫科 内科専攻医)
医科研病院での研修について

松下真也先生

 私は卒後5年目に新専門医制度内科領域プログラムの中で、連携施設として医科研病院のアレルギー・免疫科(膠原病科)で半年間の研修を行いました。膠原病科を診療科として置いている科は少ないため、短い期間でしたが非常に貴重な時間を過ごせたと思います。
 具体的には関節リウマチやIgG4関連疾患、強皮症、掌蹠膿疱症性骨関節炎など多岐に渡る疾患を経験することができました。また、ステロイドの使い方など他科においても必要な知識も学ぶことができました。医科研病院は私がこれまで勤めてきた病院と比較して、科の垣根が低く、比較的他科にコンサルトしやすい病院であると思います。救急外来はなく、担当する患者数もそれほど多くないため、臨床業務に忙殺されることはなく、非常にゆとりのある時間を過ごすことができました。その分の時間を臨床業務以外の時間に充てることができ、半年間の間で内科学会地方会の発表や昨年度から執筆していた症例報告の論文作成なども行うことができました。現行の内科専門医制度では多岐にわたる診療科の症例の経験が必要です。医科研病院は短期間の研修も受け入れているそうなので、膠原病症例の経験のために一度ご検討いただければと思います。